10年を過ぎたエコキュートは、故障リスクと「部品がない問題」が一気に高まります。
しかも、ひとたび故障すると「お風呂もキッチンも洗面台も、お湯がまったく使えない」状態になるため、生活へのダメージは非常に大きい設備です。
この記事では、以下の内容をわかりやすく整理しました。
- 故障したときに最初に確認すべきポイント
- よくある故障の原因と自分でできる対策
- エコキュートの寿命・交換時期の目安(10年がひとつの節目)
- 修理か交換かを判断するためのポイント
- 電気温水器からエコキュートに替えると、なぜ2〜3年で元が取れるのか
- ガス・灯油・太陽光発電との関係(光熱費はどこまで下がる?)
最初に確認したい「故障時の緊急チェック早見表」
⚠️ エコキュート故障時の緊急チェック早見表
特に水漏れや異音は、放置すると故障が拡大し、修理費用が高額になる可能性があります。
故障時に必ず行うべき対策
1. ブレーカーの確認(最優先)
停電後の復旧や電圧変動でブレーカーが落ちることがあります。まずは専用ブレーカーを「OFF → ON」と入れ直してください。
2. エラーコードを控える(メーカー上位4社の代表例)
エラーコードは修理の特定に最重要。以下は普及率の高い主要メーカーの代表例です。
3. 再起動(電源リセット)
軽度なエラーなら、ブレーカーを落として1分待ち「再起動」することで改善することがあります。
4. タンク残湯量と設定温度の確認
冬場や来客時の「湯切れ」が原因のことも多いため、残湯量を確認しましょう。
5. 室外機(ヒートポンプ)の状態確認
落ち葉や積雪、凍結が原因でファンが停止するケースがあります。特に冬場は注意が必要です。
エコキュートが故障する主な原因
1. 経年劣化(10年で寿命になることが多い)
一般的な寿命は10〜15年。特に10年以降はヒートポンプ・基盤・センサーなどの故障が増えます。
2. 10年を過ぎると「部品がない問題」が発生します
エコキュートに限らず、多くの住宅設備は発売から10年を目安に補修部品の供給を終了します。
そのため、
✓ 「壊れた部品だけ直したい」と思っても
✓ すでに部品が製造されていない
✓ 修理できない → まるごと交換
という流れになることがよくあります。
10年目を迎えたら、「いつ交換してもいい準備」を始めるのがおすすめです。
3. 凍結・配管詰まり・センサー故障(詳細)
冬場は配管が凍結し、流量不足やエラーを誘発します。無理に熱湯をかけると破損の原因となるためNG。また、長期使用による配管内部の汚れ・湯あか蓄積により、センサーが誤作動したり、循環口が詰まることもあります。これらは配管洗浄や定期清掃で予防可能です。
エコキュート寿命と交換のタイミング
使用年数で見る故障リスクとメンテナンスの目安
安定稼働・修理検討期
基本的に修理で対応しやすい時期。センサーやパッキンなど、軽微な部品交換で済むことが多いです。定期的な配管洗浄などで、良い状態を維持しましょう。
要注意・交換検討期
故障率が上がり始め、ヒートポンプや基盤など重要部品の不具合が出やすくなります。メーカーの部品供給が終了し始めるため、修理費用が高額になる場合は交換も視野に入れましょう。
寿命・交換推奨期
いつ故障してもおかしくない「完全な寿命ゾーン」です。修理部品の入手はほぼ不可能に。お湯が使えなくなる前に、計画的に交換の準備を進めることを強く推奨します。
💡 10年を過ぎたら、一度点検・相談を
「完全に壊れてから慌てる」のではなく、10年を目安に点検や交換の準備をしておくことで、急なお湯の停止や高額な緊急工事を避けることができます。
エコキュートが故障するとどうなる?
エコキュートはタンク式のため、故障すると家中でお湯が使えなくなります。
さらにガス給湯器と違い、復旧後も「お湯が貯まるまで時間が必要」です。交換となると、
- 現地調査
- 機器の手配
- 工事日程調整
などで数日かかることもあります。そのため、10年を過ぎたら故障前の点検や交換検討が特に重要です。
✓ 知人・親戚の家でお風呂を借りる
✓ ガスコンロやケトルでお湯を沸かして使う(やけどに注意)
✓ 業者に優先対応を依頼する(割増料金がかかる場合も)
✓ 復旧までの期間を短くするため、事前に信頼できる業者を探しておく
エコキュートの寿命・交換時期の目安
エコキュートの寿命は10〜15年ですが、10年が大きな節目です。
- 10年以内:基本は修理で対応可能
- 10〜15年:故障が増え、部品供給も終了し始める
- 15年以上:完全な寿命ゾーン
メーカーごとに特徴と耐久性が異なることも
メーカーによって、以下のような特長があります。
- 静音性に強いメーカー
- 壊れにくさ・耐久性を重視したメーカー
- 価格重視のメーカー
- 高水圧や追いだき機能に強いメーカー
家庭の人数・お湯の使い方・設置環境で「最適なメーカー」は変わるため、迷った際はお気軽にご相談ください。
電気温水器からエコキュートに替えると2〜3年で元を取れる理由
💰 電気温水器 vs エコキュート コスト比較
エコキュートに替えると、年間で4〜7万円の節約が可能です
- 電気代が高い(深夜電力でも高コスト)
- 消費電力が大きい
- 効率が悪い(エネルギーロス大)
- 古い機種は故障リスクが高い
- 環境負荷が大きい
- 電気代が大幅に安い
- 省エネ性能が高い(効率3倍以上)
- CO2排出量が少ない
- 災害時にタンクの水が使える
- 補助金対象になることが多い
年間4〜7万円の電気代削減が見込めます。
これは、本体費用を2〜3年で回収できる計算になります。
✓ 毎月の電気代が気になっている
✓ 電気温水器が故障した・調子が悪い
✓ 環境に配慮した生活をしたい
✓ 太陽光発電を設置している(または検討中)
このようなご家庭では、エコキュートへの交換で大きなメリットが得られます。
旧式の電気温水器は消費電力が大きく、年間のランニングコストが高めです。
- 電気温水器:年間 約8〜12万円
- エコキュート:年間 約2.5〜4万円
年間4〜7万円節約できるため、交換費用を2〜3年で回収できるケースもあります。
ガス・灯油の高騰でエコキュートがより有利
ガス・灯油の価格上昇により、給湯コストを抑えたい家庭でエコキュートの導入が増えています。
太陽光発電とエコキュートは最強の組み合わせ
太陽光の余剰電力をわき上げに利用でき、さらに光熱費を抑えられます。
修理と交換、どちらが良い?判断基準
修理 vs 交換の判断ガイド
あなたのエコキュートは修理?それとも交換?
- 使用年数が10年未満
- 温度センサーや水位センサーなど部品のみの故障
- リモコンだけの不良
- 逃がし弁の不具合
- 配管の詰まりやフィルターの汚れ
- 修理費用が5万円以内で済む
- 初めての故障で、過去にトラブルなし
- 使用年数が10年以上
- ヒートポンプ(室外機)が故障している
- タンクからの水漏れや内部腐食が疑われる
- 毎年のようにどこかが壊れる・エラーが頻発する
- メーカーから「部品がなく修理対応不可」と言われた
- 修理費用が10万円以上かかる
- 複数箇所が同時に故障している
| 故障箇所 | 修理費用の目安 | 判断のポイント |
|---|---|---|
| 温度センサー | 1〜3万円 | 10年未満なら修理推奨 |
| 水位センサー | 1〜3万円 | 10年未満なら修理推奨 |
| リモコン | 1〜2万円 | 修理推奨 |
| 逃がし弁 | 2〜4万円 | 10年未満なら修理推奨 |
| 基盤 | 3〜8万円 | 10年以上なら交換検討 |
| ヒートポンプ | 5〜15万円 | 高額なため交換推奨 |
| タンク本体 | 15〜25万円 | 本体交換レベル |
| エコキュート本体交換 | 35〜60万円 | 長期的にはコスパ良い |
例えば、エコキュートの本体交換費用が50万円の場合、
修理費用が15万円以上(30%)になるなら、交換した方が長期的にお得になることが多いです。
特に10年以上使用している場合は、修理してもすぐに別の箇所が故障するリスクが高く、
「修理費の累積 > 本体交換費用」となってしまうケースも少なくありません。
迷ったときは、複数の業者から見積もりを取って比較検討することをおすすめします。
✓ 異音がする(室外機・タンク周り)
✓ お湯の温度が安定しない
✓ 水漏れを発見した
✓ 使用年数が10年を超えている
これらの症状が出たら、まずは専門業者に点検・診断を依頼しましょう。
エコキュート交換費用の相場と費用を抑えるポイント
一般的な費用内訳は以下の通りです。
- 本体:25〜45万円(容量・グレードによって変動)
- 工事費:8〜15万円(撤去費・配管・搬入ルートにより変動)
合計は35〜60万円ほどですが、補助金を活用すれば負担を軽減できます。補助金申請のサポートも可能ですので、お気軽にお問い合わせください。
エコキュートを長持ちさせるメンテナンス
- 年1回の配管洗浄で汚れ・湯あかの蓄積を防ぐ
- フィルター・ストレーナーを定期清掃する
- 室外機まわりの落ち葉・雪・障害物を取り除く
- 長期不在後や災害後は本体とタンク周りを軽くチェックする
- 10年を過ぎたら故障前提で交換準備を進めておく
まとめ:エコキュートの故障は「10年」と「事前準備」がカギ
エコキュートは便利な設備ですが、10年を過ぎると故障と部品供給終了が重なり、一気に交換リスクが高まります。故障すると家中のお湯が使えなくなるため、早めの点検・交換検討が重要です。
電気温水器・ガス給湯器からの乗り換えや、太陽光発電との組み合わせで光熱費を下げたい方など、どんな段階でもお気軽にご相談ください。