エコキュートが故障?原因・対処法・交換時期・寿命まで完全解説

エコキュートの故障

エラーコード早見表はこちら

10年を過ぎたエコキュートは、故障リスクと「部品がない問題」が一気に高まります。
しかも、ひとたび故障すると「お風呂もキッチンも洗面台も、お湯がまったく使えない」状態になるため、生活へのダメージは非常に大きい設備です。

この記事では、以下の内容をわかりやすく整理しました。

  • 故障したときに最初に確認すべきポイント
  • よくある故障の原因と自分でできる対策
  • エコキュートの寿命・交換時期の目安(10年がひとつの節目)
  • 修理か交換かを判断するためのポイント
  • 電気温水器からエコキュートに替えると、なぜ2〜3年で元が取れるのか
  • ガス・灯油・太陽光発電との関係(光熱費はどこまで下がる?)

最初に確認したい「故障時の緊急チェック早見表」

⚠️ エコキュート故障時の緊急チェック早見表

お湯が出ない
緊急度:高
📋 まずやること
ブレーカー確認/リモコン電源OFF→ON
🔍 考えられる原因
停電/断水/凍結/ヒートポンプ故障
対処方法
自分で確認→改善しなければ点検・修理依頼
お湯がぬるい
緊急度:中
📋 まずやること
タンク残湯量・設定温度を確認
🔍 考えられる原因
湯切れ/センサー異常/配管汚れ
対処方法
設定変更・様子見→継続するなら点検
ERROR E-123
エラーコード表示
緊急度:中
📋 まずやること
エラー番号を控える(写真撮影も◎)
🔍 考えられる原因
センサー故障/基盤異常/システムエラー
対処方法
メーカーや施工店に「番号」を伝えて相談
室外機の異音
緊急度:高
📋 まずやること
室外機周囲を目視確認
🔍 考えられる原因
ファンモーター異常/異物混入
対処方法
すぐに電源を切り、修理相談
!
タンク周りの水漏れ
緊急度:高
📋 まずやること
水の出どころを確認(写真撮影推奨)
🔍 考えられる原因
逃がし弁の不良/タンク本体劣化
対処方法
放置NG。多くは部品交換〜本体交換レベル
お湯の量が少ない
緊急度:低〜中
📋 まずやること
リモコンで残湯量を確認
🔍 考えられる原因
タンク容量不足/湯切れ/設定ミス
対処方法
わき上げ設定見直し→頻発するなら容量アップ検討
⚠️ 重要な注意点
「緊急度:高」の症状が出た場合は、無理に使い続けず、すぐに専門業者へご相談ください。
特に水漏れや異音は、放置すると故障が拡大し、修理費用が高額になる可能性があります。

故障時に必ず行うべき対策

1. ブレーカーの確認(最優先)

停電後の復旧や電圧変動でブレーカーが落ちることがあります。まずは専用ブレーカーを「OFF → ON」と入れ直してください。

2. エラーコードを控える(メーカー上位4社の代表例)

エラーコードは修理の特定に最重要。以下は普及率の高い主要メーカーの代表例です。

U22
ふろ自動お湯はり時の流量不足(1L/分以下)配管の詰まり・栓の閉め忘れなどが疑われる
U51
浴そう栓の閉め忘れ検知栓が抜けている状態でお湯はりが始まったサイン
U53
浴そう満水検知浴そうからお湯が溢れそう(または溢れた)状態を検知
U61
湯切れ検知タンクのお湯が無くなり、お湯はりを続けられない状態
H32 / H33
給水・ふろサーミスタ異常温度センサーの故障が疑われ、部品交換が必要なケースが多い
P01 / P20 / P21
給湯用電動混合弁異常設定温度どおりのお湯が出ない、弁の動作不良など
P24〜P27
入水/出湯切替弁異常お湯のわき上げがうまくできず、エラー停止する
P37
一部機種でのセンサー異常やわき上げ不良に関連するエラー
P60
特定機種でのUV-LED関連のエラーなど(機種により内容が異なる)
※重要:いずれも弁やセンサーの不具合が疑われるため、自己判断での分解はNGで、プロによる点検が必要です。
C15 / C16
温度センサー系の異常(給湯・ふろなど)
C30 / C45
圧力や流量など、配管まわりの異常
C76
機種によってはヒートポンプまわりや安全装置のエラーとして表示
U51 / U54
ふろ関係の検知異常(浴槽栓の閉め忘れや残り湯の状態など)
740
システム全体のエラー(多くの場合、専門の点検・修理が必要)
E10
給湯温サーミスタ異常給湯側の温度センサーが故障している可能性
E11
追焚検知サーミスタ異常追いだきに関わるセンサーの異常
E12
給湯温度の高温異常設定より高すぎる温度を検知
E14
ふろ流量カウンタ異常や配管詰まり断水・凍結の影響が出ることも
E20 / E22
水位センサー異常、フロースイッチ(浴槽栓の閉め忘れ)などの異常
※ご注意:同じエラーコードでも、機種や製造年によって意味が変わる場合があります。必ず「お使いの機種の取扱説明書」かメーカー公式ページで確認してください。

3. 再起動(電源リセット)

軽度なエラーなら、ブレーカーを落として1分待ち「再起動」することで改善することがあります。

4. タンク残湯量と設定温度の確認

冬場や来客時の「湯切れ」が原因のことも多いため、残湯量を確認しましょう。

5. 室外機(ヒートポンプ)の状態確認

落ち葉や積雪、凍結が原因でファンが停止するケースがあります。特に冬場は注意が必要です。


エコキュートが故障する主な原因

1. 経年劣化(10年で寿命になることが多い)

一般的な寿命は10〜15年。特に10年以降はヒートポンプ・基盤・センサーなどの故障が増えます

2. 10年を過ぎると「部品がない問題」が発生します

エコキュートに限らず、多くの住宅設備は発売から10年を目安に補修部品の供給を終了します。

10年目を迎えたら、「いつ交換してもいい準備」を始めるのがおすすめです。

3. 凍結・配管詰まり・センサー故障(詳細)

冬場は配管が凍結し、流量不足やエラーを誘発します。無理に熱湯をかけると破損の原因となるためNG。また、長期使用による配管内部の汚れ・湯あか蓄積により、センサーが誤作動したり、循環口が詰まることもあります。これらは配管洗浄や定期清掃で予防可能です。

エコキュート寿命と交換のタイミング

使用年数で見る故障リスクとメンテナンスの目安

〜10年

安定稼働・修理検討期

基本的に修理で対応しやすい時期。センサーやパッキンなど、軽微な部品交換で済むことが多いです。定期的な配管洗浄などで、良い状態を維持しましょう。

10年〜15年

要注意・交換検討期

故障率が上がり始め、ヒートポンプや基盤など重要部品の不具合が出やすくなります。メーカーの部品供給が終了し始めるため、修理費用が高額になる場合は交換も視野に入れましょう。

15年超

寿命・交換推奨期

いつ故障してもおかしくない「完全な寿命ゾーン」です。修理部品の入手はほぼ不可能に。お湯が使えなくなる前に、計画的に交換の準備を進めることを強く推奨します。

💡 10年を過ぎたら、一度点検・相談を

「完全に壊れてから慌てる」のではなく、10年を目安に点検や交換の準備をしておくことで、急なお湯の停止や高額な緊急工事を避けることができます。


エコキュートが故障するとどうなる?

エコキュートはタンク式のため、故障すると家中でお湯が使えなくなります。

🛁
お風呂・浴室
使用不可
お湯が出ないため入浴できない。シャワーも水のみ。追いだき機能も使えない。
🚿
シャワー
使用不可
水しか出ないため、冬場は特に厳しい。朝のシャワーが日課の方には大きな影響。
🍽️
キッチン
温水不可
食器洗いが水のみ。油汚れが落ちにくく、冬場は手が冷たい。調理にも影響。
🧴
洗面所
温水不可
洗顔・手洗いが水のみ。冬場は特につらい。お湯で洗いたい衣類も洗えない。

さらにガス給湯器と違い、復旧後も「お湯が貯まるまで時間が必要」です。交換となると、

  • 現地調査
  • 機器の手配
  • 工事日程調整

などで数日かかることもあります。そのため、10年を過ぎたら故障前の点検や交換検討が特に重要です。

故障から復旧までの流れと所要時間
1
故障発覚
お湯が出ない、エラー表示などで発覚。すぐに業者に連絡。
2
点検・診断(当日〜翌日)
業者が現地調査。修理可能か、交換が必要かを判断。
3
修理の場合(1〜3日)
部品の在庫があれば即日〜数日で修理完了。お湯が使えるようになる。
4
交換の場合(3〜7日以上)
本体の手配、工事日調整で数日〜1週間以上。在庫状況によってはさらに長引く。
5
わき上げ完了(工事後4〜8時間)
交換工事後も、タンクにお湯がたまるまで4〜8時間必要。その間もお湯は使えない。
冬場の故障は特に深刻です
夏場なら水でも何とかなりますが、冬場に故障すると生活への影響が非常に大きくなります。
特に小さなお子さんや高齢者がいるご家庭では、入浴できない期間が長引くと健康面でも心配です。

10年を過ぎたら、完全に壊れる前に点検・交換を検討することをおすすめします。
故障時の応急対策
銭湯・スーパー銭湯を利用する
✓ 知人・親戚の家でお風呂を借りる
✓ ガスコンロやケトルでお湯を沸かして使う(やけどに注意)
業者に優先対応を依頼する(割増料金がかかる場合も)
✓ 復旧までの期間を短くするため、事前に信頼できる業者を探しておく

エコキュートの寿命・交換時期の目安

エコキュートの寿命は10〜15年ですが、10年が大きな節目です。

  • 10年以内:基本は修理で対応可能
  • 10〜15年:故障が増え、部品供給も終了し始める
  • 15年以上:完全な寿命ゾーン

メーカーごとに特徴と耐久性が異なることも

メーカーによって、以下のような特長があります。

  • 静音性に強いメーカー
  • 壊れにくさ・耐久性を重視したメーカー
  • 価格重視のメーカー
  • 高水圧や追いだき機能に強いメーカー

家庭の人数・お湯の使い方・設置環境で「最適なメーカー」は変わるため、迷った際はお気軽にご相談ください。


電気温水器からエコキュートに替えると2〜3年で元を取れる理由

💰 電気温水器 vs エコキュート コスト比較

エコキュートに替えると、年間で4〜7万円の節約が可能です

旧式
¥¥
電気温水器
電熱ヒーター式
年間電気代(目安)
10万円
約8〜12万円
  • 電気代が高い(深夜電力でも高コスト)
  • 消費電力が大きい
  • 効率が悪い(エネルギーロス大)
  • ⚠️ 古い機種は故障リスクが高い
  • ⚠️ 環境負荷が大きい
おすすめ
¥
エコキュート
ヒートポンプ式
年間電気代(目安)
3万円
約2.5〜4万円
  • 電気代が大幅に安い
  • 省エネ性能が高い(効率3倍以上)
  • CO2排出量が少ない
  • 災害時にタンクの水が使える
  • 補助金対象になることが多い
💰 年間の節約額
4〜7万円
電気温水器からエコキュートに替えるだけで、
年間4〜7万円の電気代削減が見込めます。
これは、本体費用を2〜3年で回収できる計算になります。
🌱
環境にやさしい
CO2排出量を大幅削減。地球環境への負荷が少ない給湯システムです。
🏠
災害時の備え
タンクに貯めた水(お湯)を生活用水として利用可能。停電時も安心。
💡
補助金が使える
国や自治体の省エネ補助金の対象になることが多く、実質負担を軽減できます。
☀️
太陽光発電と好相性
余剰電力を自家消費することで、さらに光熱費を削減。売電より効率的です。
💡 電気温水器からの交換がおすすめのケース
✓ 電気温水器を10年以上使っている
✓ 毎月の電気代が気になっている
✓ 電気温水器が故障した・調子が悪い
✓ 環境に配慮した生活をしたい
✓ 太陽光発電を設置している(または検討中)

このようなご家庭では、エコキュートへの交換で大きなメリットが得られます。

旧式の電気温水器は消費電力が大きく、年間のランニングコストが高めです。

  • 電気温水器:年間 約8〜12万円
  • エコキュート:年間 約2.5〜4万円

年間4〜7万円節約できるため、交換費用を2〜3年で回収できるケースもあります。

ガス・灯油の高騰でエコキュートがより有利

ガス・灯油の価格上昇により、給湯コストを抑えたい家庭でエコキュートの導入が増えています。

太陽光発電とエコキュートは最強の組み合わせ

太陽光の余剰電力をわき上げに利用でき、さらに光熱費を抑えられます。


修理と交換、どちらが良い?判断基準

修理 vs 交換の判断ガイド

あなたのエコキュートは修理?それとも交換?

修理推奨のケース
  • 使用年数が10年未満
  • 温度センサーや水位センサーなど部品のみの故障
  • リモコンだけの不良
  • 逃がし弁の不具合
  • 配管の詰まりやフィルターの汚れ
  • 修理費用が5万円以内で済む
  • 初めての故障で、過去にトラブルなし
交換推奨のケース
  • 使用年数が10年以上
  • ヒートポンプ(室外機)が故障している
  • タンクからの水漏れや内部腐食が疑われる
  • 毎年のようにどこかが壊れる・エラーが頻発する
  • メーカーから「部品がなく修理対応不可」と言われた
  • 修理費用が10万円以上かかる
  • 複数箇所が同時に故障している
💰 修理費用の目安と交換判断のポイント
故障箇所 修理費用の目安 判断のポイント
温度センサー 1〜3万円 10年未満なら修理推奨
水位センサー 1〜3万円 10年未満なら修理推奨
リモコン 1〜2万円 修理推奨
逃がし弁 2〜4万円 10年未満なら修理推奨
基盤 3〜8万円 10年以上なら交換検討
ヒートポンプ 5〜15万円 高額なため交換推奨
タンク本体 15〜25万円 本体交換レベル
エコキュート本体交換 35〜60万円 長期的にはコスパ良い
💡 修理 vs 交換の判断目安
【修理費用が本体価格の30%以上なら交換を検討】

例えば、エコキュートの本体交換費用が50万円の場合、
修理費用が15万円以上(30%)になるなら、交換した方が長期的にお得になることが多いです。

特に10年以上使用している場合は、修理してもすぐに別の箇所が故障するリスクが高く、
「修理費の累積 > 本体交換費用」となってしまうケースも少なくありません。

迷ったときは、複数の業者から見積もりを取って比較検討することをおすすめします。
プロに相談するタイミング
✓ エラーコードが頻繁に出る
✓ 異音がする(室外機・タンク周り)
✓ お湯の温度が安定しない
✓ 水漏れを発見した
✓ 使用年数が10年を超えている

これらの症状が出たら、まずは専門業者に点検・診断を依頼しましょう。

エコキュート交換費用の相場と費用を抑えるポイント

一般的な費用内訳は以下の通りです。

  • 本体:25〜45万円(容量・グレードによって変動)
  • 工事費:8〜15万円(撤去費・配管・搬入ルートにより変動)

合計は35〜60万円ほどですが、補助金を活用すれば負担を軽減できます。補助金申請のサポートも可能ですので、お気軽にお問い合わせください。


エコキュートを長持ちさせるメンテナンス

  • 年1回の配管洗浄で汚れ・湯あかの蓄積を防ぐ
  • フィルター・ストレーナーを定期清掃する
  • 室外機まわりの落ち葉・雪・障害物を取り除く
  • 長期不在後や災害後は本体とタンク周りを軽くチェックする
  • 10年を過ぎたら故障前提で交換準備を進めておく

まとめ:エコキュートの故障は「10年」と「事前準備」がカギ

エコキュートは便利な設備ですが、10年を過ぎると故障と部品供給終了が重なり、一気に交換リスクが高まります。故障すると家中のお湯が使えなくなるため、早めの点検・交換検討が重要です。

電気温水器・ガス給湯器からの乗り換えや、太陽光発電との組み合わせで光熱費を下げたい方など、どんな段階でもお気軽にご相談ください。